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※オーディオ&イヤホン系のレビューは新ブログ(https://usi-san.blogspot.com/)に引っ越しました。

【レビュー】Artio「CR-V1」~使用・音質編~ [イヤホン レビュー]

今回はArtioさんの「CR-V1」の使用編レビューを書きたいと思います。

そんなお話です。

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イヤホンには(も?)新しい製品が出るたびに
「新開発」「独自開発」「新技術」「独自技術」みたいな言葉が溢れていて、
その言葉によって心躍ることもないんですが、
個人的にはArtioさんのそれはちょっとるんるんします。

今回のそれは「WARPシステム」

"
"WARPシステム"(Wide Area ReProduction - 特許番号:出願中)は、帯域・レベル等を調整したLチャンネルとRチャンネルの信号をそれぞれ反対側のチャンネルに混ぜ合わせるイヤホン向けの音響回路です。スピーカーのステレオ再生を聴いている時の状態を仮想的に再現し、従来のカナル型イヤホンではできなかった音の広がりを感じることができます。
                       "

とのこと。
空間の使い方や立体感なんかが気になる方の私的には面白そうでなりません。


■音質
個人的な結論をできるだけ短くまとめるとすると

万能ではないが、空間表現という意味では聴きどころがあるイヤホン

だと思います。
メーカーさんの言い分をそのままなぞるのでは面白くもなんともない内容なんですが、
確かに立体的です。
1音1音、音自体に立体感を感じるタイプの立体感ではなく、音の配置が立体的です。
左右にそして前後に目の前の空間を広く使って音を配置します。

それぞれの音が置かれる場所が異なる=音の分離がよくなることで、
結果非常に解像感も感じられます。

このWARPシステムという機構から
いい方に転ぶのか悪い方に転ぶのかは置いておいて、
もっとわかりやすく&劇的に変わって聴こえるんじゃないかと
勝手に思ってたんですが、
そこまでではなく「順当に空間表現力を1歩前進させました」という感じです。
まぁ、これまでのイヤホンも、各社さんまっとうに空間表現的にもいいものを目指してきて
いいものを生み出されてきたわけで、そう考えるとそこから「劇的」に
変わるなんてことはないのでしょう。
とりあえずこの立体感、個人的に好きです。

あ。ただし、このCR-V1は
・金メッキプラグスパイラルケーブル
・金メッキプラグ 銀メッキ線スパイラルケーブル
とケーブルが2本付属しているのですが、
「金メッキプラグスパイラルケーブル」のほうはちょっと苦手でした。
もちろんWARPシステムというその機構によるところが大きいと思われる、音の配置は
変わらず立体的なんですが、音のない場所の表現がちょっとスカッとせず、
結果全体的に重く、どんよりする印象です。

音のあるところと音のないところのメリハリがキッチリついている状態を
「テレビに例えれば黒が極めて黒」みたいな表現したことあった気がしますが、
今回は「黒が黒になり切れてない」感じでしょうか。
分離はいいが、音のないところの表現力がイマイチ・・・
なんか不思議な感じもしますが、感覚的にはそんな風に感じました。


最初に「万能ではないが」と書いた部分がここからです。
言ってしまえばボーカルものはイマイチな気がします。より丁寧に表現すると、
「ボーカルの生々しさを感じたい」
「近い距離でボーカルのダイレクト感を感じたい」
そういったものを求める方には、もっといい選択肢が他にもあるかなぁと思います。

ボーカルはちょっと凹み気味ですし、
おそらく「ボーカルを聴きたいんだ!」という方は、
もっとボーカルの輪郭がはっきりすることによるリアリティが欲しくなるんじゃないかな??
と個人的には思います。
ボーカルものは輪郭の緩さみたいなものがちょっと気になってしまうことがあります。
というか常に気になります。

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【追記】2019/11
やはり「ボーカルを聴くなら「他の選択肢」も(が)・・・
とは思いますが、それでも音の前後関係の再現力は改めていいですね。
音の後ろに空間の広がりを感じますし、前にも感じます。
聴いているとさらに好きになる空間表現・・・
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気になると言えば続々と発表&発売されていっている新しいイヤホンも気になりますね。
個人的には
Faudio「minor」
・technics「EAH-TZ700」
・ORB「cf-iem」
なんかが気になっていました&気になっています。
その中ではFaudio「minor」は試聴することができましたが、
ちょっとminorは・・・なしですかね。
majorのような滑らかさや低音の上品さの要素が私は全く感じられませんでした。
もちろんmajorよりもお値段的にもお安いモデルなので、
同レベルの音を求めることもないのですが、それでも良さを見出すことはできませんでした。
ちょっと・・・高すぎるかなという印象です。
もっとエージングが進めば変わるんでしょうか。
同じように新しい製品で同じような価格帯でいうと、
accoustune「HS1655CU」のほうが滑らかで、クリアで、音に重厚感があって断然良かったです。
ちなみにこの「HS1655CU」の上位モデルで「HS1695Ti」というのもあるようで
こちらも聴いてきましたが、こちらは順当に「HS1655CU」よりもさらに良かったです。
「HS1655CU」で70,000円
「HS1695Ti」で100,000円
うん。この音質の差とこの値段差なら納得かなという印象です。


話をCR-V1に戻します。
先ほどボーカルの輪郭が緩いという旨書きましたが、
プラスしてボーカルの表現の細さとシャリつきが気になることも結構あるかなと思います。
輪郭が緩いのに細いというのも矛盾しているようですが、
たい焼きに例えるなら「中身のあんこが少ないたい焼き」です。

中心の軸・メインとなるものの存在感が足りなくて、周りのメインにはならざるものの
存在感が大きい感じです。
でも、たい焼きはあんこが多ければいいというものでもないですよね。
あんこと周りの皮のバランスが大事。

シャリつくのもちょいと気になりまして、ちょっと一瞬耳が痛い・・・
ということも・・・


■装着感&その他
ステムが比較的奥まで入らないタイプで
耳の穴のまだ広い場所に留まるので、普段より1段階大きいイヤーピースを
使うのがいいかなと思います。私はそのようにしています。

ハウジングの外側がチタンで内側(耳側)がアルミニウムということで
持つと確かになんか重さのバランスが外側に偏っているような・・・気もしますが
それによって装着時になにか問題となるほどのものがあるとも思いません。

能率は低めなので、結構パワーかけないと欲しい音量が取れません。



ボーカルものは少々厳しい、というか他に目を向けてしまうとより良い選択肢を
見つけられてしまいますが、とはいえ立体感は感じられますし、
楽器ものであれば非常にいい感じです。

そもそもイヤホンでありながらスピーカーを目指したものであるならば
イヤホンが得意とする「ボーカルが目の前」「ボーカルの解像感」を
「なぜないんだ」というのもおかしな話の気もします。
「だってそこ目指してるんじゃないんだもの」と。

とは言え、出来ればリケーブルしてボーカル部分を改善できるか・・・を試したいところですが
コネクタが2.5ミリなので・・・ちょっと選択肢が・・・

是非楽器ものを日頃聴かれる方は一度お試しくださいませm(__)m

そして全く狙ってませんが、試聴して「ボーカルはちょっとだけど楽器ものはすごくいいんじゃないか?」と
感想を持ってクラウドファンディングで購入したTAGO STUDIOさんの「T3-02」がこの連休中に
届くようです。


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